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わたしはショートケーキが嫌い
第6章 関与している(疑惑)


「スー‥‥」

しばらくすると慶太の寝息が聞こえてきた。
スヤスヤ眠る慶太の隣で俺はバスの揺れを感じながらひたすらスクールバッグを見つめていた。

赤茶色の塊と、スクールバッグの底に付いたシミ。
スクールバッグが黒に近い紺色だから、近くで見ないとシミが付いていることに気づかないだろう。

どうしてこんなにも嫌な気がする。
ただのシミだ。気にすることないのに。
なんなら慶太に聞けばいい話だ。

スクールバッグのシミが何なのかを。

なのにどうして俺は聞けないんだ。








ーーーだって慶太(こいつ)、関与してるかもしれないし。









ドクンドクンと心臓が脈打つ。
煩くて仕方がないほど。

根拠はない。けど、勘と言うのかな。
このスクールバッグのシミが血に思えて仕方ないし、何より長谷部の件に関与している気がする。

気づけば俺は慶太のスクールバッグを膝の上に乗せ、ファスナーを引いてスクールバッグの口を開けていた。

そして俺は目の前が遠退いていく感覚に襲われた。
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