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横浜発 7:54
第6章 下
「それはさくらが心配することじゃない」
「え?」

「毎朝さくらに会いたいから人より残業した。
人と同じに帰ったとしても、10時だ。さくらに会えないだろ?」

「う・・・ん」

「じゃぁ、終電まで残業するから、朝は普通に来る。
こう宣言して、上にOKもらった」
「う、うん」

「毎朝、一緒に通勤出来て今日も頑張れるぞって思えた」
「うん」

「そのために毎朝、会いたかった」
「うん」

「俺の考え間違ってる?」
「・・・・」

「無理?しちゃ悪いか?さくらに会うために無理して何が悪い?」
「う・・・ん」

「あの時間のために、人より残業するからって言ったのは俺だ。
それほど俺にとってはあの2分は大事な時間だよ」
「うん」

「人の言葉で揺れるな。惑わされるな」
「・・・・」

「俺たちはまだ、お互いに何も知らないし
会社も違うからお互いの仕事ぶりも忙しさも分からない」
「うん」

「だから、俺の言葉だけを信じてろ」
「・・・・」

「他の奴の言葉で気持ちを揺らすな」

そう言って私をぎゅっと抱きしめた。



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