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砂の人形
第6章 自動人形

「そしてあなたは、希望の王女、ですか」
「そんなの関係ないわ」

 テルベーザの大きな手が、髪を撫でてくれる。心地よくて、ずっとこうされていたい。お父様もアルムカンも全部忘れて、このまま砂漠を永遠にさ迷っていたい。

 本当は、ペテ様にお会いするのも、お話しするのも、アルムカンへ帰ってお父様のお顔を見るのも、全部怖いの。

「でも、私は立派な王女になりたいから」
「あなたもサルーザ様も、予言を気にし過ぎですよ」

 気負わなくていい、傍にいますと、テルベーザは囁いてくれた。

 本当に、予言なんてどうでもいいのよ、テーゼ。ただ、王宮の皆が、私たちのこと馬鹿にしてるのが、すごく悔しいの。あなたは騎士団で一番強いのに。砂漠ではこんなに頼りになるのに。あなたが、誰よりも一番なのに。

 テルベーザの太ももに頬を擦り付け、腰に抱きついて。私はうとうとと眠りについた
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