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生徒と俺。
第5章 近づく距離と壁
「本当?」

「大丈夫だよ」

そう言って精一杯の笑みを向ける。

「じゃあ、先生付き合ってくれる?」

えっ?

今何て言った?

「何言ってんだ、朝倉・・・」

「だって、さっき付き合えるって言ったじゃん。私、先生の事好きだもん」

夢か幻か?これは現実なのか?

いままでろくに喋った事なかったんだぞ。

「ちょっと待て、なんで俺なの?」

「一目惚れだよ。それに私、年上しか興味ないんだ。ずっと見てたの、気づかなかった?ダメ?」

ダメだ。ダメに決まっている。

「教師と生徒はまずいだろ・・・暗くなってきたし、帰るぞ。」

そう言って俺は立ち上がった。

朝倉はしゅんとした顔をしている。

俺は自制心を失わなかった。

嬉しかったのは事実だ。

でもこれで良かったんだ。

お互いの為に。
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