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潮騒
第5章 初夜 ー満潮ー
実家には帰れず、何事もなかったかのように婚家に戻るのも癪で、菊乃はまた近くの川原で不貞腐れていた。

「こんなとこで何しよんや」

父が迎えに来たのかと思って振り向くと、そこに立っていたのは正一郎だった。

慌てて顔を背ける。

「早よ帰って飯の支度せんか。風呂の水汲みは終わったんか」

何もしていない…

返事もせず、踞って拗ねる菊乃に、正一郎は深い溜息を吐いた。

「何しに来たん…」

「何しにて。お前こそ自分が何しとるかわかっとんのか?お前の嫁が実家の前で大騒ぎしとるて近所中の笑いモンじゃ。ふう悪い(※外聞が悪い)…とっとと帰るぞ!」

うちのことを心配してきてくれたんやない。気になるのは世間体だけか…何でうちが家を出たかなんか、この男には関係ないんやな…

実家からは騙しうちのように嫁に出され、婚家ではこき使われて、夫も自分のことなど、どうでも良さげ。
一体うちの人生は何なんやろうか…

まだ、十七歳。
現状を現実と受け止め、達観するには、菊乃はまだ幼かった…
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