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潮騒
第6章 日常 ー寄せ波ー
「ちょっと、待っとって。」

自室に行き、行李の底から紙包みを取り出す。
中の十円札を五枚取り出した。

「…あんた、このお金どないしたん?」

はつ江は菊乃が躊躇いなく差し出した金額に目を丸くする。

「嫁いできたとき、お義父さんに貰うた。私の一生分のお給金や。」

「菊乃…ありがとう。この借りは必ず返す。恩に着るで! ホンマにありがとうな!!」

唇を噛み締め、はつ江は再度頭を下げた。

はつ江は宣言通り、大阪で産婆の免状を取ると、大阪や神戸の病院で働き、神戸にほど近い芦屋に居を構えて四人の子を呼び寄せた。
その際、身内に借りた金は耳を揃えて全員に返済された。

のみならず、身内の者が大阪や神戸に出るときには宿を提供したり、何くれとなく世話を焼いた。
はつ江はその後、再婚することなく、女手一つで四人全員を学校に通わせ、子を育て上げた。

末の鞠子は母と同じ医療の道に進み、看護婦として生涯独身を貫く。
義両親や実の親の死んだ時には十分な香典を送って寄越したが、そのまま、その生涯を終えるまで、二度と田舎に戻ることはなかった。
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