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まほろばマボロシ~仮初めの結婚~
第37章 最後の砦
気付けば社長と面会する当日の朝になっていた。

「雅?支度できた?」
「…おかしくない?」
「大丈夫だよ。じゃぁ行くか。」

そうして時計を填め、鞄を持って2人は家を後にした。

「じゃぁ出すぞ?」

そうして車を出した結翔。緊張した面持ちのまま雅はただ、心を落ち着かせようとしていた。

どの位か、長くもあり短くも感じた時間の中、何の整理も心の落ち着きすらも持てないまま事務所に車は着いてしまった。

「…?雅?」
「……はい」
「着いたけど?」
「解って…る」
「んな緊張しなくてもいいって」

クスクス笑いながら降りる結翔。
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