この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
茜色の空に
第6章 秋風の狂詩曲
高校三年間の最後は、ほぼ受験に費やした。
少なくとも、東京のいい大学に受からなければさすがに父も認めてくれない。
必死に勉強した。
海渡を探し出す希望だけは捨てずに。
そして、私は都内で上位に入る大学に合格した。
「よくやったな、おめでとう。」
櫻井先生が微笑んでそういってくれて、私は素直に嬉しかった。
うちの高校にしたら、ありえない快挙らしく職員室が盛り上がっていた。
圭子は地元の専門学校に。
田辺くんはプロボクサーを目指して、所属しているジムで練習の日々らしい。
そして私たちはバラバラになってしまった。
卒業とともに、荷物をまとめて東京にいく支度を整える。
部屋は一応決めた。
一時期独り暮らしをした部屋は、海渡との最後の思い出が残る部屋だったけど、名残惜しいけど引き払う。
「さよなら……」
荷物がなくなった部屋でひとり静かにつぶやく。
全く知らない土地で、一人で生きていかなければならない。
あなたもあの日、こんな気持ちだったの?
本当にあなたに会える日がくるのだろうか。
不安な気持ちを抱えながら、私は新しい一歩を踏み出した。
少なくとも、東京のいい大学に受からなければさすがに父も認めてくれない。
必死に勉強した。
海渡を探し出す希望だけは捨てずに。
そして、私は都内で上位に入る大学に合格した。
「よくやったな、おめでとう。」
櫻井先生が微笑んでそういってくれて、私は素直に嬉しかった。
うちの高校にしたら、ありえない快挙らしく職員室が盛り上がっていた。
圭子は地元の専門学校に。
田辺くんはプロボクサーを目指して、所属しているジムで練習の日々らしい。
そして私たちはバラバラになってしまった。
卒業とともに、荷物をまとめて東京にいく支度を整える。
部屋は一応決めた。
一時期独り暮らしをした部屋は、海渡との最後の思い出が残る部屋だったけど、名残惜しいけど引き払う。
「さよなら……」
荷物がなくなった部屋でひとり静かにつぶやく。
全く知らない土地で、一人で生きていかなければならない。
あなたもあの日、こんな気持ちだったの?
本当にあなたに会える日がくるのだろうか。
不安な気持ちを抱えながら、私は新しい一歩を踏み出した。