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茜色の空に
第7章 春の嵐
藤原さんに会いにいったのは、その翌日だった。
「すぐ応えは出せないかもしれませんが、一度友達からはじめてもらう事はできますか?」
私が彼に出した答えは、とても中途半端なものだった。
樹さんが苦笑して言う。
「なんか、倫子ちゃんならそう応えるような気がしてたよ。
でも、俺振られるとかそういう事じゃないんだよね?」
私は戸惑いながらも、ちゃんとした答えを返す。
「まだ、正直私は前の好きな人をひきずり過ぎて、お付き合いとかそういう答えを出せそうにありません。
そして私は大学生ですし、社会人の樹さんとはきっと価値観も全て相違があると想っています。
だから、もしよければお互いを知るところから始めたいと思うのです。」
自分でも、勝手でわがままでどうしようもない事を言っている事は承知していた。
それでも、必死に伝えようと頑張ったつもりで言った。
樹さんの反応は、意外なものだった。
「そういう、融通きかなそうで不器用な倫子ちゃんだから、俺はきっと君の事が好きなんだと思うよ。」
そういって、樹さんは手を差し出す。
「じゃあ、とりあえず今は友達でいいよ。
ただ、俺は倫子ちゃんのそばにいて、いつでも隙を狙うからね!」
爽やかに彼はそういって笑ったけれど、これは宣戦布告ってとってもいいのではないだろうか・・・
そう、春は恋の季節・・・その春の嵐にたぶん私はもう拐われてしまっている・・・そんな気がした。
「すぐ応えは出せないかもしれませんが、一度友達からはじめてもらう事はできますか?」
私が彼に出した答えは、とても中途半端なものだった。
樹さんが苦笑して言う。
「なんか、倫子ちゃんならそう応えるような気がしてたよ。
でも、俺振られるとかそういう事じゃないんだよね?」
私は戸惑いながらも、ちゃんとした答えを返す。
「まだ、正直私は前の好きな人をひきずり過ぎて、お付き合いとかそういう答えを出せそうにありません。
そして私は大学生ですし、社会人の樹さんとはきっと価値観も全て相違があると想っています。
だから、もしよければお互いを知るところから始めたいと思うのです。」
自分でも、勝手でわがままでどうしようもない事を言っている事は承知していた。
それでも、必死に伝えようと頑張ったつもりで言った。
樹さんの反応は、意外なものだった。
「そういう、融通きかなそうで不器用な倫子ちゃんだから、俺はきっと君の事が好きなんだと思うよ。」
そういって、樹さんは手を差し出す。
「じゃあ、とりあえず今は友達でいいよ。
ただ、俺は倫子ちゃんのそばにいて、いつでも隙を狙うからね!」
爽やかに彼はそういって笑ったけれど、これは宣戦布告ってとってもいいのではないだろうか・・・
そう、春は恋の季節・・・その春の嵐にたぶん私はもう拐われてしまっている・・・そんな気がした。