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茜色の空に
第8章 雪の華
そして、俺は翌月に20歳の誕生日を迎える。
俺は、地元の町に足を踏み入れる。
誰にも知られないように、髪を帽子で隠して伊達メガネをかけて。
特急で2時間のその場所は、昔より人で溢れる町に変貌していた。
国宝に指定されてる城の傍に、その場所はある。
市役所の職員に事前に問い合わせと相談を重ねていたため、手続きが比較的スムーズに済んだ。
そして、母親には俺の戸籍が調べられないようにする手続きをとり、今更住民票の異動の手続きをする。
正直いままで健康保険の資格とかがなかったため、病気にかかったら全て実費だったが3年くらい病気にかかることがなかった自分を誉めてやりたかった。
「もしかして・・・海渡か?」
後ろから話しかけられて、心臓がドクンと音をたてた。
俺はゆっくり、後ろを振り返る。
そこには、かなり精悍な顔つきになって大人びた永吉が立っていた。
その隣には、驚いた顔をして立ちすくむ鈴木がこちらを見て驚いている。
逃げ出そうとしたが、足がすくんで動けない。
「海渡・・・お前のいなくなった理由も事情も知っている。
だから、余計な事は言わないし連絡先を教えろとも言わない。
ただ、ひとつだけ伝えておく。
倫子ちゃんが、お前を探して東京の大学に言ったことだけはね。」
心がざわざわと音を立てる。
倫子が俺を捜して近くにいる・・・その事実が俺の胸に深く突き刺さった。
俺は、地元の町に足を踏み入れる。
誰にも知られないように、髪を帽子で隠して伊達メガネをかけて。
特急で2時間のその場所は、昔より人で溢れる町に変貌していた。
国宝に指定されてる城の傍に、その場所はある。
市役所の職員に事前に問い合わせと相談を重ねていたため、手続きが比較的スムーズに済んだ。
そして、母親には俺の戸籍が調べられないようにする手続きをとり、今更住民票の異動の手続きをする。
正直いままで健康保険の資格とかがなかったため、病気にかかったら全て実費だったが3年くらい病気にかかることがなかった自分を誉めてやりたかった。
「もしかして・・・海渡か?」
後ろから話しかけられて、心臓がドクンと音をたてた。
俺はゆっくり、後ろを振り返る。
そこには、かなり精悍な顔つきになって大人びた永吉が立っていた。
その隣には、驚いた顔をして立ちすくむ鈴木がこちらを見て驚いている。
逃げ出そうとしたが、足がすくんで動けない。
「海渡・・・お前のいなくなった理由も事情も知っている。
だから、余計な事は言わないし連絡先を教えろとも言わない。
ただ、ひとつだけ伝えておく。
倫子ちゃんが、お前を探して東京の大学に言ったことだけはね。」
心がざわざわと音を立てる。
倫子が俺を捜して近くにいる・・・その事実が俺の胸に深く突き刺さった。