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茜色の空に
第9章 静寂の海
「だめだよ、そんな事されたら俺自分を抑えられなくなる・・・」
樹さんが、苦しそうにそう言った。
私は樹さんを抱く腕に、少しだけ力を込めて言う。
「ごめんなさい。
自分勝手だって、ちゃんと自分で解っているけれど。
樹さんが優しすぎて、自分の事が後回しにしているのがすごく辛いんです。」
彼のその感情を抑えつけてるのは、紛れもなく私の中にある彼の影だ。
本当はずっと前から気づいていた。
傍で笑ってくれるこの人が、心から大切な事。
泣いている時は励ましてくれたり、うまくいかないで落ち込んでいるときに静かに傍にいてくれたり・・・私にとってかけがえのない存在になっていっている事は解っていたんだ。
「私は、あなたの事が好きです。」
顔を彼の胸に埋めながら、小さく呟く。
樹さんが驚いたのか、肩をつかんで私を身体から離して驚いた顔で私を見つめる。
「え!?もう一度言って!」
彼が真剣な眼差しで、私を見つめる。
その眼差しがまっすぐすぎて、思わず目を反らしたくなる位だ。
ここで逃げたら、優しいこの人はきっと私をまた壊れ物のように扱ってしまう。
私は彼の瞳を見つめて、しっかり言葉を紡ぐ。
「好きです、樹さん」
樹さんが、苦しそうにそう言った。
私は樹さんを抱く腕に、少しだけ力を込めて言う。
「ごめんなさい。
自分勝手だって、ちゃんと自分で解っているけれど。
樹さんが優しすぎて、自分の事が後回しにしているのがすごく辛いんです。」
彼のその感情を抑えつけてるのは、紛れもなく私の中にある彼の影だ。
本当はずっと前から気づいていた。
傍で笑ってくれるこの人が、心から大切な事。
泣いている時は励ましてくれたり、うまくいかないで落ち込んでいるときに静かに傍にいてくれたり・・・私にとってかけがえのない存在になっていっている事は解っていたんだ。
「私は、あなたの事が好きです。」
顔を彼の胸に埋めながら、小さく呟く。
樹さんが驚いたのか、肩をつかんで私を身体から離して驚いた顔で私を見つめる。
「え!?もう一度言って!」
彼が真剣な眼差しで、私を見つめる。
その眼差しがまっすぐすぎて、思わず目を反らしたくなる位だ。
ここで逃げたら、優しいこの人はきっと私をまた壊れ物のように扱ってしまう。
私は彼の瞳を見つめて、しっかり言葉を紡ぐ。
「好きです、樹さん」