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第11章 優しい雨

「ごめんねぇ、悪かったよぅ～
てっきり倫子が泣いてるから、倫子に痴漢する悪い人だとおもったのぉ～」

受付に突如あらわれた美香は誤解して、海渡に平手打ちを食らわせて私から引き離したのである。

平手打ちを食らわせられた海渡は、不機嫌そうに叩かれた頬を抑えて言った。

「まぁこんな見た目だからしょうがないけどよぉ、見境いなく普通初対面の人間ひっぱたくか？普通･･･
誤解させた俺たちにも非があるにしてもなぁ･･･」

私があわてて美香を抑えつけて止め、なんとか蹴り飛ばすのは防いだ。

ほんと、猪みたいにすぐには止まってはくれなくてたまに困る。

「だってまさかの感動の再会してるなんて思いもしないじゃぁん･･･」

美香はしょんぼりしながらそう言った。

確かに普通に考えて、私と海渡の見た目が正反対すぎて誤解を与えてしまうのはいつもの事だったけれど、久々の再会だったからそんな事は忘れていた。

海渡は昔に比べて、当たり前だけど大人になっていた。

背は高校の頃とは変わらないけれど、金髪のサイドを編み込んで髪の毛は綺麗にセットされ、昔のヤンキー系イケメンではなくモデルかまたはホストみたいな印象を受けた。

「見た目こんなんだけど、真面目に美容師してるんだけどなぁ･･･まぁホストっぽいとはよく言われるけどな･･･」

海渡が苦笑しながら、そう言った。