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茜色の空に
第11章 優しい雨
「俺夢中になって…ごめん…
身体痛くねぇか?」

海渡が私を腕の中に閉じ込め、髪の毛を撫でながら言った。

「大丈夫です……その……初めてじゃないですし……」

そう言ってなんとなく気恥ずかしさから俯いてしまう。

私を抱き締める彼の身体は暖かくて、思わずそのまま眠ってしまいそうになる。

「本当に10年ぶりなんだよなぁ……もちろん10年経ってるからお互い変わったところもあるけど。
でも、やっぱり忘れられなくて叶わなかった初恋だからかと思ったけど…やっぱり再会して思った。
俺はお前が好きだ。」

真っ直ぐな視線で私をみつめ、彼は私に言った。

嬉しくて恥ずかしくて、顔が熱くなるのを感じる。

やっぱり素直で正直で嘘をつけないところは変わらずにいて、いつも彼は私のほしい言葉をくれる。

前は目をそらさずに言えなかった言葉を、今はちゃんと伝えられるような気がした。

「私もあなたが大好きです……」

言った後に、更に顔が熱くなる。

すると海渡が強く私を抱き締めて、そして囁くように言った。

「もう絶対に離さねぇ……
今度こそずっと一緒にいるからな……」

私の瞳から、静かに涙がこぼれ落ちた。

海渡は私の涙をそっと指で拭い、微笑みながら言う。

「やっぱ泣き虫だな、おまえ。」

そして、私の唇に彼の唇が重ねられる。

深く長いキスに、二人とも夢中になった。
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