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茜色の空に
第11章 優しい雨
「とりあえずこれ着て、どっかで服買うか…
ごめんな、なんか着替えとか昨日買っとけばよかったな……」

海渡がすまなそうに私に言う。

相変わらず私は服装に無頓着なうえに普段はスーツのため、あまり正直気にしていなかった。

「着られればなんとか大丈夫です。
少しぶかぶかですけど、そんなに気にしないでください。」

そう言うと、海渡が私の手をとる。

二人で手を繋いで、お昼の町を歩くとなんだかデートみたいだ。

嬉しくてついつい頬が緩み、さっきの不機嫌さが嘘のよう。

服のショップの奥にカフェがある、少し不思議なお店に入って二人でハンバーガーを食べた。

ハンバーガーを食べながら海渡が言う。

「普段さぁ、俺基本土日休めねぇの。
まぁ、シフト制だししょうがねぇんだけど…
倫子は普通に土日休みだろ?
一緒に過ごすこと、これからなかなかねぇよな……」

確かに、彼は接客業だし私は普通の会社員だ。

折角会えたのに、なかなか休みとかなくて出掛けられないのは、少し寂しい気がした。

「そうですね。
私も忙しい時期以外は、普通に平日休みも取れるとは思うんですが…やっぱりなかなか会えないですよね…」

ポテトをつまみながら、私が言うと海渡が閃いたように言った。

「じゃあ、一緒に住もうぜ!」

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