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茜色の空に
第4章 真夏の向日葵
「それと、ちゃんと付き合ってることを隠すのをやめようと思うんです。」

わたしの言葉に、海渡は驚きの表情を浮かべる。

「おまえ…平気なのか?」

彼が大きな手で、私の髪の毛を撫でながら言う。

「隠してるのもおかしいですよね。
ただ別に宣言するとかわざわざ言うのもあれですし、仲良いひとくらいには言うべきかなと思ったのです。
そうすれば、近づいて来る人に相手がいるので近づくなとか言えますし。
ただ詮索されたら、少し面倒な気もするんですけどね。」

私の言葉を聞いて、彼が心配そうにしながらも嬉しそうな笑顔を浮かべる。

「なんかあったらすぐに言え。
もしお前に危害を加えるやつがいたら、迷わず俺はお前を守るしお前の味方だ!
どんな事があっても、田辺と鈴木は味方でいてくれるしな!」

そう言って彼は私を見て、はにかんだ笑顔を見せた。

きっとこの人といるなら大丈夫。

きっとこれから困難なことが待ち受けていても、彼が一緒にいるならきっと平気。

そう思い、彼をそっと抱き締めた。

しばらく二人だけで、真夏の夜の星空の下でキスに酔いしれる。

これから過酷な運命が待ち受けてるなんて、知りたくなんかなかったのに。
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