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茜色の空に
第4章 真夏の向日葵
「どうでもよかったら、こんな無理にでも連れてきてなんて言いません。
ちゃんと聞いて欲しいのです…そして助けて欲しいんです…」

しっかり瞳を見て彼に話しかける。

彼はまだ少し不機嫌だったが、少し乱暴に私を抱き寄せて後ろからそっと抱き締めながら言った。

「解った。話せよ。」

彼に抱き締められたらとても穏やかな気持ちになり、私はゆっくりと話始めた。

宇佐美くんのお姉さんが、自分の父親の不倫相手なこと。

それがもとで、宇佐美くんに付きまとわれていること。

政輝さんに励まされ、しかも付き合っていることを当てられたこと。

田辺くんにWデートをお願いされたこと。

話終えると、彼はしっかりと私を抱き締めてくれた。

「ごめんな、ぜんぜん気づいてやれなかった…俺。
嫉妬ばっかりててかっこわりぃな。」

彼が悲しそうに微笑むのを見上げ、体を彼のほうに向け、ぎゅっと抱きつく。

「わたしがあなたの優しさに甘えてばかりいたのです。
あなたが優しいから、ついあなたの優しさに甘えてばかりいました。
ちゃんと見栄をはらず、最初から話すべきでした。」

わたしがそういうと、彼は優しくわたしの頭をなでてくれた。
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