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茜色の空に
第6章 秋風の狂詩曲
海渡が退院して、夏休みがおわってしまった。
色々と楽しいことも辛いことも、たくさんありすぎた夏休み。
海渡の傍らにいた笑顔のあの子がいなくて、すごく悲しい気持ちになる。
わたし以上に語らないけれど、寂しそうな表情をさせる海渡はもっと辛いと思う。
でも、わたしにはどう声をかけていいか正直わからなかった。
そんな私の家に、変化が訪れた。
父と母の離婚が決まったのだ。
長年、子供のために離婚しないといっていたふたりだったけれど、父が不倫相手を妊娠させてしまった。
つまりは宇佐美くんのお姉さん。
あれから宇佐美くんは見つかっていない。
生きてはいるだろう、そう海渡は言ったけれど家族としては不安だと思う。
「倫子はどっちについてくる?」
母親に言われたとき、わたしはやはり父を選んだ。
母には恋人がいる。
もし、一緒に住むとしても血が繋がらない異性と住むのはどうしても嫌だった。
それと苗字が変わるデメリットが大きすぎるため、このことを伝えると、母は少しだけ悲しそうな表情をした。
そして父に私の要望を伝える。
「わたし、家を出てひとりで住みます。」
二人は最初は反対していたが、わたしがいままで一人暮らし同然で生活していけること、父と宇佐美さんのお姉さんの邪魔になりたくないと言ったら渋々賛成してくれた。
色々と楽しいことも辛いことも、たくさんありすぎた夏休み。
海渡の傍らにいた笑顔のあの子がいなくて、すごく悲しい気持ちになる。
わたし以上に語らないけれど、寂しそうな表情をさせる海渡はもっと辛いと思う。
でも、わたしにはどう声をかけていいか正直わからなかった。
そんな私の家に、変化が訪れた。
父と母の離婚が決まったのだ。
長年、子供のために離婚しないといっていたふたりだったけれど、父が不倫相手を妊娠させてしまった。
つまりは宇佐美くんのお姉さん。
あれから宇佐美くんは見つかっていない。
生きてはいるだろう、そう海渡は言ったけれど家族としては不安だと思う。
「倫子はどっちについてくる?」
母親に言われたとき、わたしはやはり父を選んだ。
母には恋人がいる。
もし、一緒に住むとしても血が繋がらない異性と住むのはどうしても嫌だった。
それと苗字が変わるデメリットが大きすぎるため、このことを伝えると、母は少しだけ悲しそうな表情をした。
そして父に私の要望を伝える。
「わたし、家を出てひとりで住みます。」
二人は最初は反対していたが、わたしがいままで一人暮らし同然で生活していけること、父と宇佐美さんのお姉さんの邪魔になりたくないと言ったら渋々賛成してくれた。