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令嬢は元暗殺者に恋をする
第11章 裏街へ
「やっぱり、あなたって軽薄だわ」
おかげで、危ないところを助けてもらったということも、すっかり忘れているようである。
「軽薄って……あんたはハルがあそこにいるかもしれないと思って、花柳街に足を踏み入れたんだろ? そういうあいつは軽薄じゃないのかよ」
今度はサラの方が言葉につまらせた。
ふいっ、とシンから目をそらして頬を膨らませる。
「ハルは別よ」
「ああそうですか。とにかく、その手を離せ」
「いや」
「わがままもたいがいにしろ」
すっと細められたシンの厳しい目に、サラは一瞬怯んだ様子をみせる。
「私だって、あなたみたいな軽々しい人と一緒にいるなんてごめんだわ。でも、ここでこの手を離してしまったら、ハルに会えなくなるもの」
「いいから離せ。でないと、さすがの俺も怒るぞ」
「怒ったって、あなたなんか怖くないわ。それに、あなたハルと違って弱そうだし」
シンの顔からすっかり笑みが消えた。そして、突然サラの手首を強くつかみ上げる。
「痛いじゃない。離して!」
「だったら、わからせてやるよ。あいつがどういう奴かを。そのかわり、あまりの衝撃に泣き出しても、俺は知らないからな!」
「望むところよ。さあ、早く連れていってちょうだい。今すぐに!」
おかげで、危ないところを助けてもらったということも、すっかり忘れているようである。
「軽薄って……あんたはハルがあそこにいるかもしれないと思って、花柳街に足を踏み入れたんだろ? そういうあいつは軽薄じゃないのかよ」
今度はサラの方が言葉につまらせた。
ふいっ、とシンから目をそらして頬を膨らませる。
「ハルは別よ」
「ああそうですか。とにかく、その手を離せ」
「いや」
「わがままもたいがいにしろ」
すっと細められたシンの厳しい目に、サラは一瞬怯んだ様子をみせる。
「私だって、あなたみたいな軽々しい人と一緒にいるなんてごめんだわ。でも、ここでこの手を離してしまったら、ハルに会えなくなるもの」
「いいから離せ。でないと、さすがの俺も怒るぞ」
「怒ったって、あなたなんか怖くないわ。それに、あなたハルと違って弱そうだし」
シンの顔からすっかり笑みが消えた。そして、突然サラの手首を強くつかみ上げる。
「痛いじゃない。離して!」
「だったら、わからせてやるよ。あいつがどういう奴かを。そのかわり、あまりの衝撃に泣き出しても、俺は知らないからな!」
「望むところよ。さあ、早く連れていってちょうだい。今すぐに!」

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