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令嬢は元暗殺者に恋をする
第16章 再びハルに会いに
「おい、女がいるぜ」
「それも外の女じゃねえか」
「ああ、まともな女だ。だが、まだがきだな」
「へへ、がきでも女であることにかわりはねえ」
たしかに、と男たちは揃ってうなずく。
さらに、路地脇からも男たちが現れ、瞬く間に囲まれてしまった。
相手は六人。
獲物を追いつめる獣のような目で、じりじりとこちらへとつめよってくる。
外の世界がすぐそこに見えているのに、なのに男たちにはばまれ戻ることができない。
「迷子ちゃんかな? どちらにしても」
裏街へようこそ、と忍び笑いを含ませたその声に、サラの表情が強張る。
「あ、あなたたち何? そこをどきなさい!」
「おいおい、そこをどきなさい、だとさ」
「いったい、どこのお嬢さまだよ」
「でも、こういう強気な女も悪くはねえ」
男たちは互いに目を見合わせ、下卑た笑いを口許に刻む。しかし、その中のひとりがサラの顔を見て顔を引きつらせた。
「おいこの女、昨日シンが連れ回してた女じゃねえか?」
「何? シンの女かよ」
「ああ、間違いねえ。この女だ」
「だったら、まずいって。こいつに手を出したってシンに知れたら、俺たちやべえぞ。シンに殺される」
殺されるという不穏な言葉に背筋がぞくりとしたが、それでも、シンの名前が男たちの口から出たことに、ほっとする。
が……。
「なーに、ばれなきゃかまわねえだろうよ。それとも、この女を思う存分痛めつけて、シンの野郎にひと泡ふかせてやるってのも面白いと思わねえか?」
「たしかに。あの男の慌てふためく顔が見られたら最高だな」
「あの野郎、前々から気に入らねえと思ってたしな」
男たちはシンの仲間とおぼしき者はいないか、周囲を確かめるように視線を巡らせた。そして、そうだな、と笑い、怯えるサラに手を伸ばしてきた。
「いや! やめて……誰か!」
男たちの手から逃れようとサラは身をよじるが、男のひとりがそれを許さなかった。
抗うサラの腕を捕らえ、男は腰の短剣を抜く。
その短剣をサラの喉元へと押しあてた。
「それも外の女じゃねえか」
「ああ、まともな女だ。だが、まだがきだな」
「へへ、がきでも女であることにかわりはねえ」
たしかに、と男たちは揃ってうなずく。
さらに、路地脇からも男たちが現れ、瞬く間に囲まれてしまった。
相手は六人。
獲物を追いつめる獣のような目で、じりじりとこちらへとつめよってくる。
外の世界がすぐそこに見えているのに、なのに男たちにはばまれ戻ることができない。
「迷子ちゃんかな? どちらにしても」
裏街へようこそ、と忍び笑いを含ませたその声に、サラの表情が強張る。
「あ、あなたたち何? そこをどきなさい!」
「おいおい、そこをどきなさい、だとさ」
「いったい、どこのお嬢さまだよ」
「でも、こういう強気な女も悪くはねえ」
男たちは互いに目を見合わせ、下卑た笑いを口許に刻む。しかし、その中のひとりがサラの顔を見て顔を引きつらせた。
「おいこの女、昨日シンが連れ回してた女じゃねえか?」
「何? シンの女かよ」
「ああ、間違いねえ。この女だ」
「だったら、まずいって。こいつに手を出したってシンに知れたら、俺たちやべえぞ。シンに殺される」
殺されるという不穏な言葉に背筋がぞくりとしたが、それでも、シンの名前が男たちの口から出たことに、ほっとする。
が……。
「なーに、ばれなきゃかまわねえだろうよ。それとも、この女を思う存分痛めつけて、シンの野郎にひと泡ふかせてやるってのも面白いと思わねえか?」
「たしかに。あの男の慌てふためく顔が見られたら最高だな」
「あの野郎、前々から気に入らねえと思ってたしな」
男たちはシンの仲間とおぼしき者はいないか、周囲を確かめるように視線を巡らせた。そして、そうだな、と笑い、怯えるサラに手を伸ばしてきた。
「いや! やめて……誰か!」
男たちの手から逃れようとサラは身をよじるが、男のひとりがそれを許さなかった。
抗うサラの腕を捕らえ、男は腰の短剣を抜く。
その短剣をサラの喉元へと押しあてた。

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