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令嬢は元暗殺者に恋をする
第25章 狂乱の円舞曲
「ほら、涙を拭いて」
サラはもう一度うなずき、手の甲で目の縁をごしごしとこすった。
「笑って」
ぎこちないながらもサラは口許に笑みを浮かべる。
「よし」
もう大丈夫だね。
その笑顔であいつの胸に飛び込むんだ。
たぶん、あのファルクとかいう野郎のことも、きっとあいつが何とかしてくれるはず。
だから、何も心配することはないよ。
必ず約束するから。
俺を信じて待っていて。
シンは剣を手に取り鞘におさめると、すべての思いを振り切り、サラに背を向け歩き出した。
「シン!」
呼び止めるサラの声に振り返らなかった。
突如吹く風に、薔薇の花びらが大きく空へと舞い上がる。
さよなら、サラ──。
サラはもう一度うなずき、手の甲で目の縁をごしごしとこすった。
「笑って」
ぎこちないながらもサラは口許に笑みを浮かべる。
「よし」
もう大丈夫だね。
その笑顔であいつの胸に飛び込むんだ。
たぶん、あのファルクとかいう野郎のことも、きっとあいつが何とかしてくれるはず。
だから、何も心配することはないよ。
必ず約束するから。
俺を信じて待っていて。
シンは剣を手に取り鞘におさめると、すべての思いを振り切り、サラに背を向け歩き出した。
「シン!」
呼び止めるサラの声に振り返らなかった。
突如吹く風に、薔薇の花びらが大きく空へと舞い上がる。
さよなら、サラ──。

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