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令嬢は元暗殺者に恋をする
第3章 あなたのことを知りたい
「何故、俺をかばう?」
少年の問いかけに、うなだれたままサラは力なくわからないと、首を振るだけであった。
「ねえ、あなたの名前を教えて?」
しばしの沈黙の後、ハルは薄く笑い小声でつぶやいた。
「ハル……?」
耳にした言葉をサラは繰り返す。
「本当に変わった女だね」
サラの答えはない。
少年、ハルはまあいいか、と肩をすくめた。
「助けられた礼に、一度だけあんたが困った時に手をかすと約束してやる。それで貸し借りはなしだ。何でもしてやるよ」
「何でも?」
「たとえば、消えて欲しい奴のひとりや二人くらいいるだろう? あんたに疑いがかかることなく、この世から消し去ってやる」
立てた膝に片腕を乗せ、ベッドの背もたれに尊大な態度で反り返るハルに、サラは表情を険しくさせる。
「簡単に人を消すだなんて言わないで! それに私、貸しを作るつもりでハルのこと助けたわけではないわ!」
手を握りしめ、サラは声を張り上げた。が、ふと何か考えが思いついたとばかりに目を細め目の前のハルを見据える。
「今、何でもすると言ったわよね」
「言ったよ」
「私のお願い、何でも聞いてくれるのね?」
「ああ」
「本当ね?」
「嘘は言わないさ」
「そう」
サラは腰に手をあて、半眼でハルを見下ろす。
「だったら、傷が癒えるまで絶対にここから逃げ出さないこと。それが私のたった一つのお願いよ。いいわね、約束よ!」
語気を強め、サラはハルに向かって指を突きつけた。
少年の問いかけに、うなだれたままサラは力なくわからないと、首を振るだけであった。
「ねえ、あなたの名前を教えて?」
しばしの沈黙の後、ハルは薄く笑い小声でつぶやいた。
「ハル……?」
耳にした言葉をサラは繰り返す。
「本当に変わった女だね」
サラの答えはない。
少年、ハルはまあいいか、と肩をすくめた。
「助けられた礼に、一度だけあんたが困った時に手をかすと約束してやる。それで貸し借りはなしだ。何でもしてやるよ」
「何でも?」
「たとえば、消えて欲しい奴のひとりや二人くらいいるだろう? あんたに疑いがかかることなく、この世から消し去ってやる」
立てた膝に片腕を乗せ、ベッドの背もたれに尊大な態度で反り返るハルに、サラは表情を険しくさせる。
「簡単に人を消すだなんて言わないで! それに私、貸しを作るつもりでハルのこと助けたわけではないわ!」
手を握りしめ、サラは声を張り上げた。が、ふと何か考えが思いついたとばかりに目を細め目の前のハルを見据える。
「今、何でもすると言ったわよね」
「言ったよ」
「私のお願い、何でも聞いてくれるのね?」
「ああ」
「本当ね?」
「嘘は言わないさ」
「そう」
サラは腰に手をあて、半眼でハルを見下ろす。
「だったら、傷が癒えるまで絶対にここから逃げ出さないこと。それが私のたった一つのお願いよ。いいわね、約束よ!」
語気を強め、サラはハルに向かって指を突きつけた。

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