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令嬢は元暗殺者に恋をする
第42章 お出かけ
アルガリタの都、露店が並ぶ大通りはたくさんの人であふれかえっていた。
路の両端を埋めつくすように、布製の天幕を張った露店が並び、これが町の中心部にある大広場まで連なっている。
露店には様々な商品が所狭しと陳列され、通りを行く人々の興味を引いた。
新鮮な野菜やみずみずしい季節の果物、炙った肉の食欲を誘う匂い。
焼き菓子や、飴玉の並ぶ店の前では、子供が母親にねだる姿も見られた。
さらには、花や雑貨や荒物、小間物などないものはないといっていいくらい、豊富な種類がそれぞれの店に揃えられていた。
その通りを歩くハルとサラの姿。
町に来てからずっと、サラはきょろきょろと辺りを見渡しているが、その興味は珍しい露店に向けられているのではなく、回りの通行人であった。
そう、ハルと町に出かけられると大喜びしたものの……。
「女の人みんなハルのことを振り返っていくわ」
町に出て、サラはすぐにそのことに気づいた。
通りすがる女性たちの大半が、ハルに目をとめ、すれ違った後もわざわざ立ち止まり、振り返っていくのであった。そして、言っているそばから、ハルの脇を通り過ぎた若い女性二人組がハルに視線を向け驚いたように目を瞠らせ、何やらひそひそと言葉を交わし頬を赤らめているのであった。
「異国の人間が珍しいだけだろう」
「ほんとうにそう思ってる?」
「どうして?」
興味がなさそうに答えるハルに、サラは異国の人が珍しいだけなら女の人たちが顔を赤くしたりはしないでしょう、と頬を膨らませる。
ハルは自分がどれだけ人目をひくかわかってないのかしら。
それとも回りに興味がないだけ?
路の両端を埋めつくすように、布製の天幕を張った露店が並び、これが町の中心部にある大広場まで連なっている。
露店には様々な商品が所狭しと陳列され、通りを行く人々の興味を引いた。
新鮮な野菜やみずみずしい季節の果物、炙った肉の食欲を誘う匂い。
焼き菓子や、飴玉の並ぶ店の前では、子供が母親にねだる姿も見られた。
さらには、花や雑貨や荒物、小間物などないものはないといっていいくらい、豊富な種類がそれぞれの店に揃えられていた。
その通りを歩くハルとサラの姿。
町に来てからずっと、サラはきょろきょろと辺りを見渡しているが、その興味は珍しい露店に向けられているのではなく、回りの通行人であった。
そう、ハルと町に出かけられると大喜びしたものの……。
「女の人みんなハルのことを振り返っていくわ」
町に出て、サラはすぐにそのことに気づいた。
通りすがる女性たちの大半が、ハルに目をとめ、すれ違った後もわざわざ立ち止まり、振り返っていくのであった。そして、言っているそばから、ハルの脇を通り過ぎた若い女性二人組がハルに視線を向け驚いたように目を瞠らせ、何やらひそひそと言葉を交わし頬を赤らめているのであった。
「異国の人間が珍しいだけだろう」
「ほんとうにそう思ってる?」
「どうして?」
興味がなさそうに答えるハルに、サラは異国の人が珍しいだけなら女の人たちが顔を赤くしたりはしないでしょう、と頬を膨らませる。
ハルは自分がどれだけ人目をひくかわかってないのかしら。
それとも回りに興味がないだけ?

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