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令嬢は元暗殺者に恋をする
第42章 お出かけ
言葉ごとハルの唇にふさがれサラは目を見開いた。
手にしていたパイを落としそうになって慌てて胸にしっかりと抱え込む。
軽く触れるだけの短いキスだったが、それでもハルを取り囲んでいた女性たちを驚かせるにはじゅうぶんであった。
女の子たちがそろって、きゃっと悲鳴を上げているのが聞こえてきた。
「人前だわ……」
だけど、私はハルの恋人なのよ、という優越感に満たされた気持ちは隠せない。
視界の端に、女の子たちが驚いた顔でこちらを見ているのが入った。
その顔は何だやっぱり彼女だったのかといっているようだった。
「人前でキスしてきたのは誰だっけ?」
「う……」
「そんな不安そうな顔をしなくても、あんた以外の女なんて興味ないよ。突然声をかけられて喋りたてるから少し驚いただけ」
「そっか」
他の女の人など興味がないと言ってくれて心がふわりと舞い上がる。
思わず緩んでしまいそうになる口許を下唇を噛んでこらえた。
「すぐに俺のところに来てくれるかと思った」
「ちょっとだけ、声をかけずらいなって、ためらってしまったの」
「もし、あんたが他の男に囲まれたら、俺ならそいつらを蹴散らしてやるけど」
行こう、とハルの手が腰に回された。
先ほどの女の子たちをかえりみず歩き出すハルをちらりと見上げる。
キスも今のハルの言葉も嬉しすぎて、サラはぴたりとハルに身を寄せた。
「ねえ、パイを食べたらまた町を見て回ってもいい? それから……」
「おやつも食べたいとか?」
「え! おやつもいいの? ハルは甘いもの好き?」
「わりと好き」
「意外だわ。私、ハルの好きなものもっと知りたいな。それとね、また手をつないで歩いてもいい?」
笑ってうなずくハルに、サラは顔をほころばせた。
「それからね。それから……」
「とりあえず、それ食べようよ」
「そうよね。お腹空いたわよね」
ハルと一緒にいられることが楽しくて幸せで、お喋りがとまらなかった。
手にしていたパイを落としそうになって慌てて胸にしっかりと抱え込む。
軽く触れるだけの短いキスだったが、それでもハルを取り囲んでいた女性たちを驚かせるにはじゅうぶんであった。
女の子たちがそろって、きゃっと悲鳴を上げているのが聞こえてきた。
「人前だわ……」
だけど、私はハルの恋人なのよ、という優越感に満たされた気持ちは隠せない。
視界の端に、女の子たちが驚いた顔でこちらを見ているのが入った。
その顔は何だやっぱり彼女だったのかといっているようだった。
「人前でキスしてきたのは誰だっけ?」
「う……」
「そんな不安そうな顔をしなくても、あんた以外の女なんて興味ないよ。突然声をかけられて喋りたてるから少し驚いただけ」
「そっか」
他の女の人など興味がないと言ってくれて心がふわりと舞い上がる。
思わず緩んでしまいそうになる口許を下唇を噛んでこらえた。
「すぐに俺のところに来てくれるかと思った」
「ちょっとだけ、声をかけずらいなって、ためらってしまったの」
「もし、あんたが他の男に囲まれたら、俺ならそいつらを蹴散らしてやるけど」
行こう、とハルの手が腰に回された。
先ほどの女の子たちをかえりみず歩き出すハルをちらりと見上げる。
キスも今のハルの言葉も嬉しすぎて、サラはぴたりとハルに身を寄せた。
「ねえ、パイを食べたらまた町を見て回ってもいい? それから……」
「おやつも食べたいとか?」
「え! おやつもいいの? ハルは甘いもの好き?」
「わりと好き」
「意外だわ。私、ハルの好きなものもっと知りたいな。それとね、また手をつないで歩いてもいい?」
笑ってうなずくハルに、サラは顔をほころばせた。
「それからね。それから……」
「とりあえず、それ食べようよ」
「そうよね。お腹空いたわよね」
ハルと一緒にいられることが楽しくて幸せで、お喋りがとまらなかった。

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