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令嬢は元暗殺者に恋をする
第44章 ハルとファルク
誰だ、あの少年は……。
ファルクは顔をしかめ、サラともうひとりの少年の姿を凝視した。
屋敷からずいぶんと離れた薔薇園に来るなど、ひとりではない、おそらく誰かと会っているのだとすぐに直感した。そして、その直感はあたった。
だが、てっきり先日の夜会で一緒にいた男だろうと思っていたが、驚いたことに相手は違った。
知らない顔であった。
見る限り、この国の人間ではないようだ。
細身の、見るからに弱々しそうな身体つきをした少年。
剣を携えてはいるが、どうせ見せかけだろう。
たいして強そうにも見えない。
あの少年なら自分が負けることはないと判断し、サラの元に駆けつけ無理矢理にでも連れ戻そうとしたがそれ以上、二人に近寄ることができなかった。
何故だかわからない。
一歩も足を動かすことができなかった。
少しも表情を変えることもなく、その少年はファルクから視線を外し背を向けた。そして、二人の姿が薔薇園の向こうへと消えていくのを、ファルクはただ黙って見ているだけであった。
ファルクは顔をしかめ、サラともうひとりの少年の姿を凝視した。
屋敷からずいぶんと離れた薔薇園に来るなど、ひとりではない、おそらく誰かと会っているのだとすぐに直感した。そして、その直感はあたった。
だが、てっきり先日の夜会で一緒にいた男だろうと思っていたが、驚いたことに相手は違った。
知らない顔であった。
見る限り、この国の人間ではないようだ。
細身の、見るからに弱々しそうな身体つきをした少年。
剣を携えてはいるが、どうせ見せかけだろう。
たいして強そうにも見えない。
あの少年なら自分が負けることはないと判断し、サラの元に駆けつけ無理矢理にでも連れ戻そうとしたがそれ以上、二人に近寄ることができなかった。
何故だかわからない。
一歩も足を動かすことができなかった。
少しも表情を変えることもなく、その少年はファルクから視線を外し背を向けた。そして、二人の姿が薔薇園の向こうへと消えていくのを、ファルクはただ黙って見ているだけであった。

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