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令嬢は元暗殺者に恋をする
第46章 遠出、そして、突然の雨
屋敷を抜け、町を離れるにつれ、喧噪も徐々に遠ざかっていく。
やがてすれ違う人もまばらとなり市街を出る頃には人影すら見あたらなくなった。
吹く風を切り、二人を乗せた馬が駆けていく。
力強く大地を蹴って走る馬の振動が心臓にまで響いてくるようだ。
辺り一面に広がるのどかな田園風景。
回りの景色があっという間に後方へと流れていく。
サラは首を傾け背後を振り返り、遠ざかっていくアルガリタの町をみやった。
こんなにも早く駆ける馬に乗るのはサラには初めてのことであった。けれど、不思議なことに少しも怖いとは思わなかった。
むしろ、清々しくさえ思う。すでに、先ほど抱いた得たいの知れない不安も、この頃にはすっかりと胸から消え去っていた。
頬にあたる風が気持ちいい。
いっそうのこと、このまま遠くに連れて行ってくれたなら。
こうしてハルと一緒にいられるのなら、どこへ行ったってかまわない。
ねえ、いつになったらハルと一緒にいられるようになるの?
嬉しさとほんの少しの不安がないまぜになって胸を過ぎり、サラはそろりと首を傾けた状態で背後のハルを見上げた。
どうしたの? と問いかけるハルの目に、サラは何でもないと首を振る。
「そろそろ着くよ」
ハルの声とともに馬の速度が弱まった。
やがてすれ違う人もまばらとなり市街を出る頃には人影すら見あたらなくなった。
吹く風を切り、二人を乗せた馬が駆けていく。
力強く大地を蹴って走る馬の振動が心臓にまで響いてくるようだ。
辺り一面に広がるのどかな田園風景。
回りの景色があっという間に後方へと流れていく。
サラは首を傾け背後を振り返り、遠ざかっていくアルガリタの町をみやった。
こんなにも早く駆ける馬に乗るのはサラには初めてのことであった。けれど、不思議なことに少しも怖いとは思わなかった。
むしろ、清々しくさえ思う。すでに、先ほど抱いた得たいの知れない不安も、この頃にはすっかりと胸から消え去っていた。
頬にあたる風が気持ちいい。
いっそうのこと、このまま遠くに連れて行ってくれたなら。
こうしてハルと一緒にいられるのなら、どこへ行ったってかまわない。
ねえ、いつになったらハルと一緒にいられるようになるの?
嬉しさとほんの少しの不安がないまぜになって胸を過ぎり、サラはそろりと首を傾けた状態で背後のハルを見上げた。
どうしたの? と問いかけるハルの目に、サラは何でもないと首を振る。
「そろそろ着くよ」
ハルの声とともに馬の速度が弱まった。

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