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令嬢は元暗殺者に恋をする
第46章 遠出、そして、突然の雨
たどり着いたところはアルガリタの町を一望できる小高い丘。
身軽に馬から降りたハルが、おいでと大きく両手を広げる。
ハルの首にすがるようにしがみつくと腰のあたりをつかまれ地面に下ろされた。
地に足がついた瞬間、ほんの少し足下がふらついて、すぐにハルの腕に支えられる。
「大丈夫?」
「平気。それよりも……」
素敵、と声を落とし、サラは目を開いて目の前に広がる景色に吸い込まれるように駆けだした。
眼下には家々がびっしりと建ち並び、その遥か向こうにはアルガリタの王宮まで望むことができた。
屋敷を抜け出し町に出ることは何度かあったが、こうして町の外に出て、それも自分が住んでいるところを見渡すのは初めてであった。
言葉も忘れ、丘から見下ろす町並みをサラは見つめていた。
「気に入ってくれた?」
「もちろんよ……もちろんだわ! こんな素敵な景色を見るのは生まれて初めて」
「日が落ちると町並みが夕陽色に染まって、もっときれいだよ」
「なら、それまでここにいてもいい? 夕陽も見てみたい」
「そのつもりでここに連れてきた」
「ありがとう。ハル大好き!」
ハルの背に腕を回し、胸に顔をうずめてしがみつく。
身軽に馬から降りたハルが、おいでと大きく両手を広げる。
ハルの首にすがるようにしがみつくと腰のあたりをつかまれ地面に下ろされた。
地に足がついた瞬間、ほんの少し足下がふらついて、すぐにハルの腕に支えられる。
「大丈夫?」
「平気。それよりも……」
素敵、と声を落とし、サラは目を開いて目の前に広がる景色に吸い込まれるように駆けだした。
眼下には家々がびっしりと建ち並び、その遥か向こうにはアルガリタの王宮まで望むことができた。
屋敷を抜け出し町に出ることは何度かあったが、こうして町の外に出て、それも自分が住んでいるところを見渡すのは初めてであった。
言葉も忘れ、丘から見下ろす町並みをサラは見つめていた。
「気に入ってくれた?」
「もちろんよ……もちろんだわ! こんな素敵な景色を見るのは生まれて初めて」
「日が落ちると町並みが夕陽色に染まって、もっときれいだよ」
「なら、それまでここにいてもいい? 夕陽も見てみたい」
「そのつもりでここに連れてきた」
「ありがとう。ハル大好き!」
ハルの背に腕を回し、胸に顔をうずめてしがみつく。

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