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令嬢は元暗殺者に恋をする
第46章 遠出、そして、突然の雨
「一緒に住んだら、あんたの好きなようにしていいよ」
一緒に住むというハルの言葉に、サラは表情を輝かせた。
「ほんと? じゃあ、たくさんお花を飾ってもいい?」
「いいよ」
「それから……」
可愛い小物を置いたり、素敵なカーテンを取りつけたり、おそろいの食器を使ったり、など思いつくまま口にするサラの希望に、ハルは嫌な顔ひとつせず、ただにこやかに笑みを浮かべていいよ、とうなずく。
ハルの家が私の趣味で染まってしまうけど、ほんとうにいいのかしら、嫌ではないのかしらと思って、サラは首を傾げて口をつぐんでしまった。
もしかして、適当にうなずいているのか、それとも、自分の一方的なお喋りに呆れて退屈してしまっているのではと不安そうにハルを見るが、反対にそれから? と問い返される。
何だかとても嬉しかった。
そんな会話をしているうちに、お弁当を食べ終え、最後の楽しみにとっておいたりんごパイに手をつけるハルがとても嬉しそうな顔をする。
それにしても、ハルって食べ方が上品できれいだわ、と見とれながら、思わず自分の膝の上にぽろぽろとこぼしたパンくずを見て、サラは慌ててぱっぱと手で払う。そして、もうひとつどうぞ、と差し出したりんごパイもたいらげてしまったのを見て、やっぱり男の子の食欲だわとあらためて思った。
「何? じっと俺のことを見つめて」
「何でもないの」
「このりんごパイ、おいしいね」
サラはふふ、と笑った。
そんなにおいしそうに食べてくれるのなら、私、料理長にパイの焼き方を教わらなければだわ。
ハルに私の焼いたりんごパイはおいしいと言われてみたい。
一緒に住むというハルの言葉に、サラは表情を輝かせた。
「ほんと? じゃあ、たくさんお花を飾ってもいい?」
「いいよ」
「それから……」
可愛い小物を置いたり、素敵なカーテンを取りつけたり、おそろいの食器を使ったり、など思いつくまま口にするサラの希望に、ハルは嫌な顔ひとつせず、ただにこやかに笑みを浮かべていいよ、とうなずく。
ハルの家が私の趣味で染まってしまうけど、ほんとうにいいのかしら、嫌ではないのかしらと思って、サラは首を傾げて口をつぐんでしまった。
もしかして、適当にうなずいているのか、それとも、自分の一方的なお喋りに呆れて退屈してしまっているのではと不安そうにハルを見るが、反対にそれから? と問い返される。
何だかとても嬉しかった。
そんな会話をしているうちに、お弁当を食べ終え、最後の楽しみにとっておいたりんごパイに手をつけるハルがとても嬉しそうな顔をする。
それにしても、ハルって食べ方が上品できれいだわ、と見とれながら、思わず自分の膝の上にぽろぽろとこぼしたパンくずを見て、サラは慌ててぱっぱと手で払う。そして、もうひとつどうぞ、と差し出したりんごパイもたいらげてしまったのを見て、やっぱり男の子の食欲だわとあらためて思った。
「何? じっと俺のことを見つめて」
「何でもないの」
「このりんごパイ、おいしいね」
サラはふふ、と笑った。
そんなにおいしそうに食べてくれるのなら、私、料理長にパイの焼き方を教わらなければだわ。
ハルに私の焼いたりんごパイはおいしいと言われてみたい。

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