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令嬢は元暗殺者に恋をする
第48章 心を見せて
 どうして黙ってしまうの?
 何故、何も言ってくれないの?
 それとも、私からこんなことを言い出して呆れてしまったの?
 嫌いになったの?

 何でもいい、早く何か言ってお願いと、訴えかける目をハルに向ける。が、それでもハルの方から口を開くことはなかった。

「ハル?」

 長い沈黙に耐えきれず、不安になってハルの名を呟く。

「ごめん。少し驚いてしまって」

 嫌われたわけではないと知り、サラはほっと息をもらす。

「初めては、好きな人と結ばれたいと思っていたから、だから私、ハルとそうなりたい」

 女の子の自分から抱かれたいなどと口にするのは、とても恥ずかしいことなのかもしれない。けれど、言わなければハルに今の自分の気持ちは伝わらない。
 なのに、まるでサラの決心さえ引きはがすように、ハルの手が両肩に置かれ身体を引き離され遠ざけられてしまう。

 どうして……と、サラは泣きそうな顔で、責める目で、ハルを見上げる。

「この場の雰囲気に流されて口にしてしまったのなら、やめたほうがいい。ついあんたに意地悪をしてしまったけど、俺はそんなつもりはない」

「そんなつもりがないのなら、どうしてさっきみたいなことをしたの!」

「悪かった。ごめん……」

「違う! 謝って欲しいわけじゃない!」

「俺はあんたを大切にしたいと思っている。あんたが俺とそういう関係になってもいいと本心から思う時が来るまで、俺はずっと待つつもりでいた。だから……」

「なら、それは今だわ! それに、ハルはどうして欲しいかちゃんと言葉にしてと前に言った! だから私は素直な気持ちをハルに伝えた」

 ねえ、勇気を出して伝えたわ。
 それなのにだめなの?
 これで拒絶されてしまったら、二度と私、自分の気持ちに素直になれなくなってしまう。

「何をするのか、わかって言ってる?」

「もちろんよ。子どもじゃないもの。それに、何をするのかって、ハルはベゼレート先生の所にいたとき無理矢理、私を押し倒したじゃない」

「あの時と今はまったく違う」

「もし、あの時テオが現れなかったら?」

「俺たちは今こうして一緒にいることはなかった」

 サラはそう……と小さな声を落とす。
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