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令嬢は元暗殺者に恋をする
第49章 篠つく雨の……※
「私……」
恥ずかしさにかっと頬を赤く染め、サラはハルから視線をそらす。
「いい表情だね。色っぽいよ。声にも艶がでてきた」
それ以上は言わないで、とサラは小さく首を振る。
「もっと、引き出してあげる。大輪の花を咲かせてあげる」
そこから先は無我夢中で、ただハルの与えてくれる愛撫に身を委ねるだけであった。
たぶん、ハルの唇や指が自分の身体に触れていない箇所はないのではというくらい愛された。
くったりと息を乱し力なくベッドに横たわるサラの頬に、ハルの手がそっと添えられた。
頬を優しくなでてくれる手に、サラは閉じていた目を緩やかに開く。
ハルの端整な顔が自分を見つめ見下ろしている。
サラは荒い息をこぼす。
おそらくもう限界だろう。
これ以上はかえって疲れさせてしまう。
慣れた女性なら、もう挿れて欲しい、と泣いてねだるところだが、しかし、サラにはまだそれがわからない。
ふと、弱々しく持ち上がったサラの手がハルの左腕へと伸びそこに巻き付けられていた布を解いた。
ほどけた布がするりと腕を伝い手首に落ちる。
ハルが驚いたようにわずかに目を見開いた。
眉根をきつく寄せ、つらそうに顔を歪めるハルの手がかすかに震えていた。
藍色の瞳にぎらりとした光が過ぎったが、それは一瞬のこと。
ハルの左腕に刻まれた入れ墨に、サラはそっと手を触れ花の形を指先でなぞった。
おそらく、ハルはそれを誰にも見られたくないと思っている。過去の辛い記憶を思い出してしまうから。
それを知っていながら、何故こんなことをしたのかサラ自身もわからなかった。
でもそれは、ハルの現在(いま)も、そして暗殺者として生きてきた過去も、すべて受け入れたいと思ったから。
ハルの身体が覆い被さる。
恥ずかしさにかっと頬を赤く染め、サラはハルから視線をそらす。
「いい表情だね。色っぽいよ。声にも艶がでてきた」
それ以上は言わないで、とサラは小さく首を振る。
「もっと、引き出してあげる。大輪の花を咲かせてあげる」
そこから先は無我夢中で、ただハルの与えてくれる愛撫に身を委ねるだけであった。
たぶん、ハルの唇や指が自分の身体に触れていない箇所はないのではというくらい愛された。
くったりと息を乱し力なくベッドに横たわるサラの頬に、ハルの手がそっと添えられた。
頬を優しくなでてくれる手に、サラは閉じていた目を緩やかに開く。
ハルの端整な顔が自分を見つめ見下ろしている。
サラは荒い息をこぼす。
おそらくもう限界だろう。
これ以上はかえって疲れさせてしまう。
慣れた女性なら、もう挿れて欲しい、と泣いてねだるところだが、しかし、サラにはまだそれがわからない。
ふと、弱々しく持ち上がったサラの手がハルの左腕へと伸びそこに巻き付けられていた布を解いた。
ほどけた布がするりと腕を伝い手首に落ちる。
ハルが驚いたようにわずかに目を見開いた。
眉根をきつく寄せ、つらそうに顔を歪めるハルの手がかすかに震えていた。
藍色の瞳にぎらりとした光が過ぎったが、それは一瞬のこと。
ハルの左腕に刻まれた入れ墨に、サラはそっと手を触れ花の形を指先でなぞった。
おそらく、ハルはそれを誰にも見られたくないと思っている。過去の辛い記憶を思い出してしまうから。
それを知っていながら、何故こんなことをしたのかサラ自身もわからなかった。
でもそれは、ハルの現在(いま)も、そして暗殺者として生きてきた過去も、すべて受け入れたいと思ったから。
ハルの身体が覆い被さる。

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