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令嬢は元暗殺者に恋をする
第58章 解き放つ怒り
こつりと胸に寄り添ってきたサラの頭に頬を寄せ、髪に口づけをする。
ふわふわの柔らかい髪が頬をくすぐり、ふわりとのぼる甘い香りに、まぶたを閉じる。
愛しているサラ。
まだ足りない。
俺がどれだけサラを愛しているか、この思いを伝えるにはどうしたらいいのか。
何度愛しているとささやいても、強くサラを抱きしめても、おそらく肌を重ね激しく壊れるほどに愛しても、自分の思いのすべてを伝えきれないだろうもどかしさに、ハルは眉根を引き締め震わせた。
サラを抱きかかえ、ためらうことなく扉に向かって歩き出すと、サラがくすくすと肩を揺らして笑い出した。
何? と首を傾げると、サラは悪戯っぽい笑みをこぼす。
「今日はこっちから? いつものようにバルコニーから帰らないのね」
「さすがに、サラを抱えて飛び降りるなんてできないよ」
「私を抱えていなくても、ここから飛び降りるなんて信じられないけれど。ねえ、ハルおろして。私ちゃんと歩けるわ。大丈夫よ」
「いやだ。離したくない。このまま、サラを抱いたまま連れて行く。俺がそうしたい」
「でも、重くてハルの腕が痛くなってしまうわ」
「重くなどないよ。いいから、おとなしく俺の腕に抱かれていて」
と、サラの耳元でささやくように言うと、腕の中のサラは小さくうなずいた。
ふわふわの柔らかい髪が頬をくすぐり、ふわりとのぼる甘い香りに、まぶたを閉じる。
愛しているサラ。
まだ足りない。
俺がどれだけサラを愛しているか、この思いを伝えるにはどうしたらいいのか。
何度愛しているとささやいても、強くサラを抱きしめても、おそらく肌を重ね激しく壊れるほどに愛しても、自分の思いのすべてを伝えきれないだろうもどかしさに、ハルは眉根を引き締め震わせた。
サラを抱きかかえ、ためらうことなく扉に向かって歩き出すと、サラがくすくすと肩を揺らして笑い出した。
何? と首を傾げると、サラは悪戯っぽい笑みをこぼす。
「今日はこっちから? いつものようにバルコニーから帰らないのね」
「さすがに、サラを抱えて飛び降りるなんてできないよ」
「私を抱えていなくても、ここから飛び降りるなんて信じられないけれど。ねえ、ハルおろして。私ちゃんと歩けるわ。大丈夫よ」
「いやだ。離したくない。このまま、サラを抱いたまま連れて行く。俺がそうしたい」
「でも、重くてハルの腕が痛くなってしまうわ」
「重くなどないよ。いいから、おとなしく俺の腕に抱かれていて」
と、サラの耳元でささやくように言うと、腕の中のサラは小さくうなずいた。

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