この作品は18歳未満閲覧禁止です

  • テキストサイズ
令嬢は元暗殺者に恋をする
第60章 報復 -1-
「もうすぐだ。もうすぐ地位も名誉も何もかも、この私の手に転がり落ちる。私は最高に運のいい男だ! そして、それらを手にするだけの価値のある男なのだ」

 グラスを持った手を高々とあげ、喉を鳴らしてくつくつと肩を揺らし、忍び笑いをもらす。
 空になったグラスに新たな葡萄酒を注ごうと瓶に手を伸ばしたその時、ゆらりとテーブルに置かれた燭台の蠟燭の炎が揺れ動くのに眉をひそめた。

 閉めてあるはずのバルコニーの窓から緩やかな風が流れ込んできた。
 半分腰を浮かせ、ファルクはバルコニーへと目を凝らす。

 バルコニーの入り口、揺れるカーテンの向こう、月明かりに照らされたその場所にたたずむひとりの黒い人影。
 手にしたワイングラスをテーブルに置き、咄嗟にファルクはかたわらの剣をつかんだ。

 侵入者はカーテンに手をかけ部屋へと足を踏み入れた。

「だ、誰だ!」

 ファルクは剣の鍔に親指をかけゆっくりと抜き放つ。
 鞘走る無機質な音が静謐な部屋に響き渡る。
 抜き身の刀身が、虚ろげに揺れる蠟燭の炎を受けて仄かに光る。

 姿を現したその侵入者──ハルは、窓の縁に寄りかかり、腕を組んでファルクを見据えた。
/835ページ
無料で読める大人のケータイ官能小説とは?
無料で読める大人のケータイ官能小説は、ケータイやスマホ・パソコンから無料で気軽に読むことができるネット小説サイトです。
自分で書いた官能小説や体験談を簡単に公開、連載することができます。しおり機能やメッセージ機能など便利な機能も充実!
お気に入りの作品や作者を探して楽しんだり、自分が小説を公開してたくさんの人に読んでもらおう!

ケータイからアクセスしたい人は下のQRコードをスキャンしてね!!

スマートフォン対応!QRコード


公式Twitterあります

当サイトの公式Twitterもあります!
フォローよろしくお願いします。
>コチラから



TOPTOPへ