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令嬢は元暗殺者に恋をする
第61章 報復 -2-
ファルクの口から暗殺組織と聞いて、心がすっと冷え、心臓の鼓動が速まっていくのを覚えた。
まさか……。
「もっとも、殺すと見せかけて、本当に殺すつもりはないよ。今すぐにはね。だから、抹殺とは少し大袈裟だったかもしれないね。あれでも、あの娘は私がのし上がるための大切な道具。実際、今死なれてしまっては私が困る。だが、あの娘は私をひどく苛立たせるのだよ。生理的に受けつけない。わかるかね? ならば、いっそうのこと死んだも同然の状態にしてしまえばいいと私は考えた。人形のようにね。言葉を喋ることができなければ、私に生意気な口をきくこともない。動くことがなければ、私に反抗的な態度をとることもない。その目に何を映しても、心がなければ私を憎悪の目で見返すこともない。そうだろう? そう、三日後……」
そこで、思い出したように、ファルクはああ……と声をもらした。
「そもそもおまえは知っていたのかな? 私があの娘の婚約者であるということを。そして、私たちの結婚式が三日後だということも。その結婚式を終えた後、私たち二人は、数日間アルガリタの南方の別荘地でのんびりと、夫婦二人で過ごすことになっている。しかし、その別荘地へと向かう途中のカーナの森で、私たちは賊に襲われる。そう、襲われると見せかけるよう、その暗殺組織に依頼をしたのだよ」
まさか……。
「もっとも、殺すと見せかけて、本当に殺すつもりはないよ。今すぐにはね。だから、抹殺とは少し大袈裟だったかもしれないね。あれでも、あの娘は私がのし上がるための大切な道具。実際、今死なれてしまっては私が困る。だが、あの娘は私をひどく苛立たせるのだよ。生理的に受けつけない。わかるかね? ならば、いっそうのこと死んだも同然の状態にしてしまえばいいと私は考えた。人形のようにね。言葉を喋ることができなければ、私に生意気な口をきくこともない。動くことがなければ、私に反抗的な態度をとることもない。その目に何を映しても、心がなければ私を憎悪の目で見返すこともない。そうだろう? そう、三日後……」
そこで、思い出したように、ファルクはああ……と声をもらした。
「そもそもおまえは知っていたのかな? 私があの娘の婚約者であるということを。そして、私たちの結婚式が三日後だということも。その結婚式を終えた後、私たち二人は、数日間アルガリタの南方の別荘地でのんびりと、夫婦二人で過ごすことになっている。しかし、その別荘地へと向かう途中のカーナの森で、私たちは賊に襲われる。そう、襲われると見せかけるよう、その暗殺組織に依頼をしたのだよ」

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