この作品は18歳未満閲覧禁止です

- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
令嬢は元暗殺者に恋をする
第65章 報復 -6-
この国の法は当然、知っているな。
問いかけるハルに、ファルクは深く眉間にしわを刻む。
それは何故、異国のおまえがこの国の法を語るという、不可解に満ちた表情であった。
今から約二十年前、王となるはずであったルカシス殿下が毒によって殺害されてから、このアルガリタでは毒物の所持が発覚した場合、いかなる者であろうと死罪、という厳しい法が定められた。
その法は、他国にはみられないこの国特有のもの。
そして、いかなる者に例外はなく、それは貴族であるファルクとて免れることはできない。
毒を手にしていたことが露見すれば、自身が刑罰を受けるどころか、最悪、ゼクス家そのものが破滅の一途をたどるという可能性もある。
「だから言っただろう。貴様は迂闊に喋りすぎた。自分で自分の首を絞めていると。俺を侮り、調子に乗ってこんなものを見せつけて、これを然るべき所へ差し出せば、貴様はどうなるか、わかっているな」
「そんなことになったら……」
「間違いなく、処刑台行きだ」
処刑台という現実を突きつけられたファルクは、がたがたと歯を鳴らし、首を振る。
怒りで顔を真っ赤にしたり、怯えて青ざめたりと忙しい男だ。
問いかけるハルに、ファルクは深く眉間にしわを刻む。
それは何故、異国のおまえがこの国の法を語るという、不可解に満ちた表情であった。
今から約二十年前、王となるはずであったルカシス殿下が毒によって殺害されてから、このアルガリタでは毒物の所持が発覚した場合、いかなる者であろうと死罪、という厳しい法が定められた。
その法は、他国にはみられないこの国特有のもの。
そして、いかなる者に例外はなく、それは貴族であるファルクとて免れることはできない。
毒を手にしていたことが露見すれば、自身が刑罰を受けるどころか、最悪、ゼクス家そのものが破滅の一途をたどるという可能性もある。
「だから言っただろう。貴様は迂闊に喋りすぎた。自分で自分の首を絞めていると。俺を侮り、調子に乗ってこんなものを見せつけて、これを然るべき所へ差し出せば、貴様はどうなるか、わかっているな」
「そんなことになったら……」
「間違いなく、処刑台行きだ」
処刑台という現実を突きつけられたファルクは、がたがたと歯を鳴らし、首を振る。
怒りで顔を真っ赤にしたり、怯えて青ざめたりと忙しい男だ。

作品検索
しおりをはさむ
姉妹サイトリンク 開く


