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令嬢は元暗殺者に恋をする
第70章 戦い前夜
「べ、べ、べ、べつに、それくらいのこと、たいしたことじゃねえよ……それよりも、何なんだよおまえっ! いきなりこんな……俺はどうすればいいんだ? おまえが女なら問答無用でこのまま押し倒すところだぞ」
行き場を見失ったシンの両手が虚空に浮いたまま。
その手をどうするべきかといまだ迷っている。
「俺は女ではない」
「わかってるよ! いや、俺……男でも……前にも言ったけど……」
「安心しろ。俺にまったくその気はない。変な気を起こしたら殺すぞ」
「殺すぞって……」
「おまえの背の高さがレイとちょうど同じだから」
だから、つい……。
「レイ? 誰だよ。知らねえよ……」
頭の上でシンが微かにため息をもらすのを聞く。
やや躊躇った後、浮いていたシンの左手がくしゃりと頭に置かれた。
「俺に任せろ。だからおまえは思う存分、戦え」
シンの肩に顔をうずめたまま、ハルはもう一度心の中でありがとう、と呟いた。
行き場を見失ったシンの両手が虚空に浮いたまま。
その手をどうするべきかといまだ迷っている。
「俺は女ではない」
「わかってるよ! いや、俺……男でも……前にも言ったけど……」
「安心しろ。俺にまったくその気はない。変な気を起こしたら殺すぞ」
「殺すぞって……」
「おまえの背の高さがレイとちょうど同じだから」
だから、つい……。
「レイ? 誰だよ。知らねえよ……」
頭の上でシンが微かにため息をもらすのを聞く。
やや躊躇った後、浮いていたシンの左手がくしゃりと頭に置かれた。
「俺に任せろ。だからおまえは思う存分、戦え」
シンの肩に顔をうずめたまま、ハルはもう一度心の中でありがとう、と呟いた。

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