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令嬢は元暗殺者に恋をする
第83章 王女アリシア
「今回の件、役にたてずすまなかった」

 窓辺に背をあずけハルは視線を落として目の前に立つ人物に詫びた。
 眉宇をひそめるハルの表情に深く沈痛な色がにじむ。

 開け放たれた窓から流れ込む涼とした風。
 視線を空に転じれば、つい先ほどまで真っ青だった空に影が落ち、夕暮れ色に染まり始めようとしていた。

 ハルの端整な顔に夕陽の影が落ちる。そして、目の前の少女の真っ白なドレスも茜色に染まった。

 謝罪するハルに少女はいや、と首を振る。
 背に流れる長い黒髪がさらりと揺れた。

「ハルが与えてくれた好機を、みすみす取り逃がしてしまったのは私だ」

 力が及ばなかったのは私の方だ、と少女は申し訳なさそうに声を落とす。

 逆光の眩しさに目をすがめていたハルは、窓の外から目の前の少女、王女アリシアへと視線を移す。

 カーナの森で起こったトランティア家、馬車襲撃事件から、数ヶ月が過ぎようとしていた。
 結局、ファルクが持っていた毒の入った小瓶は、アリシア王女の手に渡ることはなかった。
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