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令嬢は元暗殺者に恋をする
第85章 それから
「だって俺、少しでもハルの側にいたいし。話したいし。それに、給士姿のハルもかっこいいんだぜ。っていうか、何か色っぽい? にこりと笑って客に接するハルの姿と、カーナの森で戦ったハルの姿が全然結びつかないよ。まるで別人? だけど、ハルは何をやってもさまになるよな」
「そんなこと知ってるわよ!」
「俺、憧れるよ」
ハルは現在、街の食堂で給士の仕事をしている。
ハルがその店で働き始めた途端、ハル目当ての女性客が断然増えたとも。
「ねえ、そんなにハルといたいのなら、キリクも私たちと一緒に住めばいいのに」
サラの言葉に、キリクは突然顔を真っ赤にさせた。
キリクは別に家を借りてそこで一人で住んでいるのだ。
「な、何言ってんだよ……そんなにのいやに決まってるだろう!」
「どうして?」
「どうしてって……それはその……二人の邪魔はしたくないというか、何というか……二人の仲見せつけられたら俺の方が居づらいだろ……」
と、キリクはもじもじとしながら口ごもる。
最後の方はもはや何と言ったのか聞き取るころができなかった。
「変な子ね」
その時、さっと強い風が吹き、サラの髪からするりと藍色のリボンがほどけ風に舞い上がっていく。
「あ! リボンが……」
飛んでしまったリボンを捕まえようと振り返った視線の先に、ひとりの男性の姿があった。
その男性は、風に舞うサラのリボンを手につかんだ。
「そんなこと知ってるわよ!」
「俺、憧れるよ」
ハルは現在、街の食堂で給士の仕事をしている。
ハルがその店で働き始めた途端、ハル目当ての女性客が断然増えたとも。
「ねえ、そんなにハルといたいのなら、キリクも私たちと一緒に住めばいいのに」
サラの言葉に、キリクは突然顔を真っ赤にさせた。
キリクは別に家を借りてそこで一人で住んでいるのだ。
「な、何言ってんだよ……そんなにのいやに決まってるだろう!」
「どうして?」
「どうしてって……それはその……二人の邪魔はしたくないというか、何というか……二人の仲見せつけられたら俺の方が居づらいだろ……」
と、キリクはもじもじとしながら口ごもる。
最後の方はもはや何と言ったのか聞き取るころができなかった。
「変な子ね」
その時、さっと強い風が吹き、サラの髪からするりと藍色のリボンがほどけ風に舞い上がっていく。
「あ! リボンが……」
飛んでしまったリボンを捕まえようと振り返った視線の先に、ひとりの男性の姿があった。
その男性は、風に舞うサラのリボンを手につかんだ。

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