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令嬢は元暗殺者に恋をする
第85章 それから
「ハル厳しくない? キリクいつも稽古で怪我してるもの。ハルも少しは手加減すればいいのに」
「確かに厳しいけど、俺、自分でもわかるんだ。前よりも強くなってきてるって。それに、手加減したら稽古にならないだろう! っていうか、ハルはじゅうぶん手加減してるよ。そうでなきゃ、怪我だけじゃすまないよ……」
サラはくすっと笑った。
ハルのことを語るキリクは本当に嬉しそうだ。
すっかり、ハルに懐いてくれてサラも嬉しいと思った。
不意に、キリクがあ、と言って立ち止まった。
「そういえば、そろそろハルの仕事が終わる時間だよな」
「そうね。早く帰ってお夕飯を作らないと」
「俺、ハルのこと迎えに行こうかな。なあ、行ってもいいよね。サラも一緒に行こうよ」
「ちょ……」
買い物袋を抱えたままくるりと背を向けて行こうとするキリクの腕を、サラはつかんで引き止める。
「ちょっと待って! だめよ」
「どうして?」
「どうしてって、だめに決まってるじゃない。ハルの仕事場に邪魔しにいった怒られるでしょう?」
「この間は怒られなかったよ。帰りながらハルといろんな話しをしたんだ。楽しかったな」
「この間って、いつの間に! ずるい!」
キリクはへへへ、と笑った。
「確かに厳しいけど、俺、自分でもわかるんだ。前よりも強くなってきてるって。それに、手加減したら稽古にならないだろう! っていうか、ハルはじゅうぶん手加減してるよ。そうでなきゃ、怪我だけじゃすまないよ……」
サラはくすっと笑った。
ハルのことを語るキリクは本当に嬉しそうだ。
すっかり、ハルに懐いてくれてサラも嬉しいと思った。
不意に、キリクがあ、と言って立ち止まった。
「そういえば、そろそろハルの仕事が終わる時間だよな」
「そうね。早く帰ってお夕飯を作らないと」
「俺、ハルのこと迎えに行こうかな。なあ、行ってもいいよね。サラも一緒に行こうよ」
「ちょ……」
買い物袋を抱えたままくるりと背を向けて行こうとするキリクの腕を、サラはつかんで引き止める。
「ちょっと待って! だめよ」
「どうして?」
「どうしてって、だめに決まってるじゃない。ハルの仕事場に邪魔しにいった怒られるでしょう?」
「この間は怒られなかったよ。帰りながらハルといろんな話しをしたんだ。楽しかったな」
「この間って、いつの間に! ずるい!」
キリクはへへへ、と笑った。

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