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令嬢は元暗殺者に恋をする
第86章 思いがけない、つかの間の再会
「でも、会えてよかった。キリクくんもいい子みたいだしね。そういえば、ハル、この街の食堂で働いてるんだって。ねえ、ちょっとだけのぞきに行こうよ。のぞきにいくだけだから。ほんとうは、抱きしめて、ぎゅうっとしたいところだけど我慢する。それに僕、ハルの給士姿見てみたい!」
レイは静かに首を振る。
「やっぱり、だめ? そっか……レイがそういうならやめておく。それで、レイはこれからどうするの?」
「そうですね」
と、答えたままレイは言葉を発することはなかった。
クランツはくすくすと笑う。
「じゃあ、寂しいけどレイとはいったんここでお別れかな。レイは組織の追っ手を自分に引きつけるつもりなんだよね。組織の長が、それも二人も抜けるなんて前代未聞だもん。あいつら今頃馬鹿みたいに慌ててるよ。きっと、ハルのことにかまってる余裕なんてあまりないかもね」
「クランツはどうなさるおつもりで?」
「僕? 僕はしばらくここにいるよっ! さっき頑張るって言ったでしょ? 港を見張って船からおりてきた組織の人間をことごとく蹴散らしてやるつもり。遠いレザンからやってくる船は限られてるからね。誰一人ハルとあの子には近づけさせないよ」
そう言ったクランツの表情から、あどけない笑顔が消えた。
「皆殺しにしてやる」
レイは静かに首を振る。
「やっぱり、だめ? そっか……レイがそういうならやめておく。それで、レイはこれからどうするの?」
「そうですね」
と、答えたままレイは言葉を発することはなかった。
クランツはくすくすと笑う。
「じゃあ、寂しいけどレイとはいったんここでお別れかな。レイは組織の追っ手を自分に引きつけるつもりなんだよね。組織の長が、それも二人も抜けるなんて前代未聞だもん。あいつら今頃馬鹿みたいに慌ててるよ。きっと、ハルのことにかまってる余裕なんてあまりないかもね」
「クランツはどうなさるおつもりで?」
「僕? 僕はしばらくここにいるよっ! さっき頑張るって言ったでしょ? 港を見張って船からおりてきた組織の人間をことごとく蹴散らしてやるつもり。遠いレザンからやってくる船は限られてるからね。誰一人ハルとあの子には近づけさせないよ」
そう言ったクランツの表情から、あどけない笑顔が消えた。
「皆殺しにしてやる」

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