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第88章 あなたの瞳におちて　－終－　※

「もうこんなに濡れてる。ほら」

　蜜をまとった指先を眼前に突きつけられる。
　親指と中指を離した途端、二つの指の間で細い糸をひいた。

「い、いや……」

　ハルと出会ったばかりの頃、押し倒されて無理矢理の愛撫を受けたときは、どんなに触れられてもなかなか濡れてはこなかったのに、そもそも、濡れるということじたいサラは知らなかった。

　なのに、今ではハルに抱かれると思っただけで蜜が溢れる身体になってしまった。

　ハルは蜜に濡れた指を口に含んで舐めとり、慣れた手つきでサラの夜着を脱がしていく。
　あらわになった、控えめな胸の輪郭をなぞるように手を這わせ、柔らかく手のひらで包み込むようにして揉みしだく。

　持ち上がった人差し指が、ぷくりと赤く尖った粒に触れ、触れたまま小さな円を描くように指で転がした。
　もう片方の胸の先端を口に含まれ、舌先で転がされ甘噛みされる。

　服の上からではない直接の刺激に、身体がぴくりと反応する。
　とうとう、こらえていた声がもれる。

「あぁ……っ」

　身をよじった瞬間、突として、両手首を頭の上でまとめるようにして束ねられた。
　開いた脇の下をハルの舌がつう、と這う。