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令嬢は元暗殺者に恋をする
第9章 サラの決意
たいくつ……。
柔らかい午後の陽射しが暖かい。
思わず眠りを誘う、そんな心地よさであった。
窓に面した場所に置かれた文机の上で、サラは頬杖をつき、外の景色に虚ろな視線を向けた。
どこまでも続く青い空。
新緑の匂いを運ぶ風は爽やかに。
愛らしい小鳥たちがさえずりをよせて。
「はあ……」
何故、こんな日に部屋に閉じこもって勉強をしなければならないのかと思うと、いっそう憂鬱さを増すばかりであった。
これじゃあ、ほんとに監禁状態だわ。
こっそり抜け出そうにもここは二階。
部屋の外では、侍女たちがサラの行動に逐一目を光らせ、おまけに自分が何かをするたび、いちいち過敏に反応するのだ。
こんな状態がもう何日も続いている。
サラは大きなため息をつく。と同時に、なけなしのやる気さえ、完全に喪失してしまった。
お勉強なんて、もうやめたわ!
勢いよく椅子から立ち上がり、ベッドの上へと飛び込んで横になる。
清楚な白地の部屋着の裾がふわりと舞い、シーツの上に落ちた。
「どこかに行ってしまいたい」
両手両足を広げた恰好で、サラは独り言を呟く。
とても由緒ある貴族の娘とは思えない、はしたない姿であった。
こんな姿を誰かに見られでもしたら、それこそ何を言われるかわからない。
だが、そういう時に限って、その誰かがやってくるのであった。
それも一番厄介で苦手な人物が。
扉の向こうで侍女が遠慮がちに声をかけてきた。が、サラの返答も待たず扉が大きく開かれる。
彼女たちの無遠慮さをなじるわけでもなく、サラは首だけを傾けて戸口の方を見る。が、その表情が強張り、サラは血相を変え慌ててベッドから跳ね起きた。
そこに立っていた人物は──。
柔らかい午後の陽射しが暖かい。
思わず眠りを誘う、そんな心地よさであった。
窓に面した場所に置かれた文机の上で、サラは頬杖をつき、外の景色に虚ろな視線を向けた。
どこまでも続く青い空。
新緑の匂いを運ぶ風は爽やかに。
愛らしい小鳥たちがさえずりをよせて。
「はあ……」
何故、こんな日に部屋に閉じこもって勉強をしなければならないのかと思うと、いっそう憂鬱さを増すばかりであった。
これじゃあ、ほんとに監禁状態だわ。
こっそり抜け出そうにもここは二階。
部屋の外では、侍女たちがサラの行動に逐一目を光らせ、おまけに自分が何かをするたび、いちいち過敏に反応するのだ。
こんな状態がもう何日も続いている。
サラは大きなため息をつく。と同時に、なけなしのやる気さえ、完全に喪失してしまった。
お勉強なんて、もうやめたわ!
勢いよく椅子から立ち上がり、ベッドの上へと飛び込んで横になる。
清楚な白地の部屋着の裾がふわりと舞い、シーツの上に落ちた。
「どこかに行ってしまいたい」
両手両足を広げた恰好で、サラは独り言を呟く。
とても由緒ある貴族の娘とは思えない、はしたない姿であった。
こんな姿を誰かに見られでもしたら、それこそ何を言われるかわからない。
だが、そういう時に限って、その誰かがやってくるのであった。
それも一番厄介で苦手な人物が。
扉の向こうで侍女が遠慮がちに声をかけてきた。が、サラの返答も待たず扉が大きく開かれる。
彼女たちの無遠慮さをなじるわけでもなく、サラは首だけを傾けて戸口の方を見る。が、その表情が強張り、サラは血相を変え慌ててベッドから跳ね起きた。
そこに立っていた人物は──。

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