この作品は18歳未満閲覧禁止です

  • テキストサイズ
令嬢は元暗殺者に恋をする
第10章 新たな出会い
 その夜、サラが原因不明の熱をだし、屋敷は騒然となった。

 ベッドの上で荒い息を吐き、高熱と吐き気、胃痛を訴え苦しむサラの回りを、トランティア家専属の医師たちが取り囲み、それぞれ顔を青くした。

 原因がわからないと、騒ぎ立てる医師たちの声を、混濁とした意識の中でサラは聞く。

 現実とも夢ともつかない曖昧な感覚であった。

 覚悟を決めてテオが用意してくれた薬を飲んだはずなのに、それでも耐えきれず、何度も助けて、と声をもらす。

 サラが涙を流して苦しみを訴えるたび、医師たちはどうしたものかと、ベッドの側でおろおろとするのだ。

「ああ、サラ……」

 ベッドの側では、母フェリアが悲痛の声を上げて涙を流し、自分の手を握りしめている。

 そんな母の肩に、父、ミストスの手がかけられる。
 ミストスは妻を落ち着かせようと、何度も大丈夫を繰り返していた。

 この一大事の場に祖母の姿はない。
 おそらくこのことは当然、耳には入っているのだろう。

 だが、わざわざ様子を見に来る必要などないと思っているのか。
 けれど、それはいつものこと。

 むしろ、猜疑心の強い祖母がいないほうが、あれこれうるさいことを聞かれず、すんなりとことが運びやすい。

 お父様、お母様ごめんなさい。

 心の中で両親に謝罪の言葉を述べる。

 でも、どうしても会いたい男性(ひと)がいるの。
 その人のことが、とても好きなの。
 だから、もう一度会って、きちんと私の気持ちを伝えたい。
/835ページ
無料で読める大人のケータイ官能小説とは?
無料で読める大人のケータイ官能小説は、ケータイやスマホ・パソコンから無料で気軽に読むことができるネット小説サイトです。
自分で書いた官能小説や体験談を簡単に公開、連載することができます。しおり機能やメッセージ機能など便利な機能も充実!
お気に入りの作品や作者を探して楽しんだり、自分が小説を公開してたくさんの人に読んでもらおう!

ケータイからアクセスしたい人は下のQRコードをスキャンしてね!!

スマートフォン対応!QRコード


公式Twitterあります

当サイトの公式Twitterもあります!
フォローよろしくお願いします。
>コチラから



TOPTOPへ