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いとかなし
第21章 きみにより おもいならいぬ
「え?えっ?!」

玄関を開けるとよるが出迎えてくれたが、その隣には白い猫がちょこんと寄り添っていた。

「眞紘が拾ってきたんだ、しばらくうちにいるから」

「やぁん、美人さん!名前は?」

「まだ、つける?」

糸は白猫を抱き上げて顔を見つめる。

「ゆき、は?」

「…前居たな」

「しぐれがいたから、みぞれとか」

「みぞれか…いいね」

「みぞれ、よろしくね」

みぞれは早く下ろせとばかりに眉間にしわを寄せた。

一緒にお風呂に入って、賢都の事を報告した。

「…なんか、大人なヤツだな」

「ふふっ、そうでしょ?年下なのにね」

「惜しい事したとか思ってる?」

「全然」

啓司の脚の間には座っていた糸は、啓司の手をぎゅっと握り頬にあてた。




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