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いとかなし
第21章 きみにより おもいならいぬ
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一階に下りていくとそこには啓司が朝ごはんを用意していた。
テーブルにはもう包み終わったお弁当箱。
「「いただきます」」
笑顔で食卓を囲み、足元には2匹の猫。
洗濯物を干しながら、こんな毎日が続けばいいと願う。
何でもない当たり前の日々に一番愛しい人がそこにいる毎日。
「糸、行ってきます」
「行ってらっしゃい!」
からりと玄関を開けた啓司はふと踵を返す。
「忘れ物!」
ちゅっと糸の唇にキスを一つ。
「ふふっ、行ってらっしゃい、気をつけてね」
「あ、もう一つ忘れ物した」
「えー?何?」
糸の左手を握ると、薬指にキスをする。
「…え?」
「俺の奥さんになってくれる?」
「え…ぇ…?」
「結婚しよう、糸が誰よりも愛しい人だから」
にっこりと笑った啓司は糸が最も愛した笑顔だった。
end
テーブルにはもう包み終わったお弁当箱。
「「いただきます」」
笑顔で食卓を囲み、足元には2匹の猫。
洗濯物を干しながら、こんな毎日が続けばいいと願う。
何でもない当たり前の日々に一番愛しい人がそこにいる毎日。
「糸、行ってきます」
「行ってらっしゃい!」
からりと玄関を開けた啓司はふと踵を返す。
「忘れ物!」
ちゅっと糸の唇にキスを一つ。
「ふふっ、行ってらっしゃい、気をつけてね」
「あ、もう一つ忘れ物した」
「えー?何?」
糸の左手を握ると、薬指にキスをする。
「…え?」
「俺の奥さんになってくれる?」
「え…ぇ…?」
「結婚しよう、糸が誰よりも愛しい人だから」
にっこりと笑った啓司は糸が最も愛した笑顔だった。
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