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あの頃に戻って……
第11章 日常
優輝くんと暮らし始めて、まだ一週間。

私は家事をしながら相変わらず子どもたちを見ていた。

ここから実家までは車で10分。歩いて20分くらいだ。

優輝くんのご両親が住む団地までも車で8分。信号がない分、歩いて15分くらいだ。

まだ再婚はできないけど、優輝くんがお店も手伝ってほしいって言ってくれたので、掃除とお茶出しと必要物品の用意くらいだが、やっている。

「美都の仕事だよ。」

って言って、任せてくれた。

そういうのがすごく嬉しい!

私がお店を長い時間手伝う時は、私たちの両親に来てもらって、子どもたちをお願いしてる。

環境にも恵まれて、本当に生活しやすい。

今日は朝から晩までお客さんが途絶えることなく来る。

日曜日だからかな?

近所の結婚式場の教会の鐘も鳴ってる。

良いなあ……

優輝くんのタキシード姿、カッコいいんだろうな。

なんて夢見ちゃって……

最初の結婚の時は、店を出す資金にってなって、挙式は挙げなかった。

だからって今回もそこまで余裕ないし……

贅沢は言わないようにしなきゃね。

優輝くんを困らせたくないし。

「美都、飲み物、用意できる?」

ボーッとしてると、優輝くんが話しかけた。

「あっ、うん!」

私はお客さまの所へ行って、何が良いか聞く。

「紅茶が良いわ。」

そう言われて、用意する。

紅茶を出して、お菓子も出す。

お菓子はお手製。

今日はクッキー。

「あら!これ、美味しいわね。どこで買ったの?」

クッキーは好評だ。

「作りました。」

そう答えると、

「え?本当?これ、売れるわよ!」

なんて言われて、

「ありがとうございます。」

嬉しくなる。

「良いお嫁さんねー。どこに隠してたの?」

なんて優輝くんに言う、お客さま。

私は照れながらはにかむ。

田代さんて言う、60代の女性。

すごく気さくな方で、私は初めてお会いしたけど、お得意様らしい。

「いやー…まぁ…いろいろありまして。」

そう言って優輝くんも苦笑いする。

「何にせよ、すごーく幸せなことは二人を見てれば分かるわ。これから大繁盛するよ。間違いなく。」

なんて言われて、ますます嬉しくなった。
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