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帝警備淫夢譚
第5章 松葉昴司、炎上の新妻を救う
頭の中で、連中が非常階段を降り切る瞬間を測った。

…1.2.3!

俺は行動を起こした。
廊下奥の非常階段までの20m少々を走り、手前の手摺を越える。
二階からワンボックスカーと非常階段の間に飛び降りた。

着地点は、先を歩く兄貴の真正面、1m足らず。
驚いたようだが、さすがは兄貴。獲物に食らいつく蛇のような反射で、右ストレートを飛ばしてくる。
俺は際どいところで避け、相手の腕を掴む。引込み、倒れ込んでくる兄貴の鼻頭に頭突きを見舞う。よろけた兄貴の脇腹に右左右。三発のボディー。弟分の方は、兄貴が崩れ落ちると戦意喪失(最初からあったのか不明だが)。女を置いて逃げた。

俺は女をマンションの管理人室に運び、電話をかけた。
救急車と警察。
そして帝警備 組織内偵部。かつて自分が課長を務め、局長として仕切った組織だ。

「松葉から電話だと、局長に伝えてくれ。言えば分かるから」

「そうなんですね!少々お待ちください」

帝警備も変わったな。
電話口の明るい女の声に若干呆れた。
軟派な会社になったもんだ。

「久しぶりだな」

現局長は、唯一、切れていない同期だ。
切れていないと言っても飲みに行くほどの間柄じゃない。
ただ、昔、彼が任務にしくじって殺されそうになった時、俺が助けた。
彼はそれから今まで年賀状をくれている。それだけだ。

「…というわけだ。とりあえず警察に渡すが、もしお前が調べているなら…と思ってな」

「ありがとう。元気でやってるか?」

「報告は以上だ。関係ないなら忘れてくれ」

「いや、一般市民からの情報提供は財産だよ」

「一般市民な」

「…すまん。そういうつもりじゃない。今度どうだ?いっぱい…」

「またな」

カッコつけて強がっているうちは成長しない。今まで何度も自分に言い聞かせてきた。

俺はまだガキだった。
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