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PM2時〜パッカー車の恋人〜
第6章 初デート

先に外に出たアズが、助手席のドアを開けてくれる。


「はい。気をつけて。」

「ありがとう。」


車から出ようとした私にアズが手を差し出した。

その手をギュッと握る。

アズって、紳士的で優しいんだなぁ…。

手を握ったまま、私達は駅前のカラオケボックスに入った。


入った部屋は薄暗くて、何だか幻想的で…。

さっきの車の中での事を、思い出してしまう。

隣りに座ったアズとの距離は、さっきの車の中よりも近くて、時たま触れる肌にさえ、ドキドキしてしまう。

わざとではなくても、気になってしまうくらいの距離。

アズと私は同じ年齢。

青春時代に流行った曲もきっと同じ。

聴いていた曲もズレがない。

デンモクを見ながら、お互いにその年代の曲の時に何をしてたか等、昔話に花が咲く。

同じ年齢だからこそ、共感できる事。

歌だけでも、こんなに広がっていくなんて思わなかった。

アズが学生時代に流行った、ビジュアル系バンドのバラード曲を歌う。

いつもハスキーな声のアズだけど、歌うとさらにセクシーな声で、歌もすごく上手。

すっかりアズの歌に聞き惚れていると、アズに肩を抱かれた。


ドキン…。


胸が高鳴る。
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