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気付かないうちに
第3章 試してみません?
1年間私の下で研修期間を積んだ隼人は、2年目になると一人立ちをした。


その後の営業成績は先輩をも追い抜く勢い。
隼人の急成長に、私は鼻高々だった。


私の下を離れてからも、彼はなにかと私を慕ってくれて、


「川口さん、お久しぶりです!」

「川口さん、髪切りました?」

「川口さん、今日飲みに行きませんか?」


顔を見ればなにかと声をかけてくれた。そんな彼は私にとってかわいい後輩そのものだった。


何度か2人で飲みに行ったり、ランチに行ったりしたこともあり、仕事の熱い話からお互いの恋愛相談まで、色々なことを話せる間柄になっていた。



そして、あの日。
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