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気付かないうちに
第3章 試してみません?
青井くんは考え事をするように少し黙ったあと、口を開いた。


「川口さん、試してみません?」

「ん?誰と?何を?」

「僕と、セックス。」


今度は私がビールを吐き出す番。


「なに言ってんの。冗談やめてよ。」




笑いながら青井くんを見ると、彼は一切笑っていなかった。


「冗談じゃないです。川口さんが不感症じゃないってこと、俺が証明してあげる。」

どっからくるの、その自信。
整った顔と唇でそんなことを言われて、不覚にもどきっとしてしまった。


「俺の部屋に行こ?絵美さん。」


ダメ押しの一言。
お酒の力もあってか、私はこくんと頷いていた。
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