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わけありっ、SS集!
第4章 ままごと遊び

 りりりりりりり……。
 耳をつんざくスマホのアラームで俺は目を覚ました。手探りでスマホを探すが見つからない。

「……るせー」

 手で止めないと二分は鳴りやまない。頭が痛くなりそうだ。
 だけど昨日の夜はスマホをいじりながら寝落ちしていたようで、どんなに布団をまさぐっても見つからなかった。
 ……くそ、昔はアナログな目覚まし時計だったから、右手を伸ばせば届く所定位置に置いてあったのに、スマホだとコンパクトすぎて困る。
 ふいに手が、硬くて平たいものに触れた。
 ようやくあったか俺のスマホ。掴んでアラームを止めようと顔の前に持ってきた瞬間、ぴたりと音が止まった。
 なん……だと?

「ああ、もうっ! やかましいんだよ、このクソがっ!!」
「わ……!」

 イライラに任せて思い切り投げつけると、悲鳴が上がった。
 忍(しのぶ)の声だ。忍は黒いエプロン姿で朝食を作っていた。俺の怒鳴り声と、足元に飛んできたスマホに驚いた悲鳴らしい。

「ちょっと、ターちゃんっ、何投げてんのっ! スマホ壊れちゃうってばっ」
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