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私を見ないで
第5章 それから



進学を控えた私はアルバイトを止めて。
特に何もなく、時間だけ過ぎていた。


短大に入って、お姉ちゃんたちに部屋を譲り私は念願の独り暮らしを始めた。


実家から離れたら生活は全て自分でやらなければ、という大変さと、開放感があった。


たぶん、好きな人も出来た。
その人と付き合うことになった。

初めての彼氏と違って、今度は私も、好きってふわふわした感情が芽生えていた。


そう、上手く行っていた。


半年を過ぎて、春休み、私は彼氏と旅行を計画してたんだ。
特急に乗って、ちょっと高いけど早めに予約しないと泊まれない人気の温泉宿に。
室内にも露天風呂があるんだよ、と。
何種類も浴衣があって、おれ、選んでも良い?と。
朝食バイキングも有名なんだって。
と、楽しみに話す彼を可愛いなぁ、って眺めていた私。

特急の停車駅が私の地元で、旅行の前日、私は久しぶりに実家に帰った。
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